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2006年01月26日

#63 検非違使の一団

巡回をする武装した検非違使の一団
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#62 検非違使寮・馬小屋・広場

煙がくすぶる馬小屋の前で、別当が検非違使を集めて檄を飛ばしている。

別当「このままでは、検非違使は都中のもの笑いになり、ひいては朝廷の威信にかかわる由々しき事態。如何様にしても、天に唾する不届き千万な奴等を討ち取り、このような不始末に決着をつけよ・・・」
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#61 馬で逃走する犬丸たち

馬で逃走する犬丸たち
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#61 検非違使寮・燃える馬小屋

戻って来て燃え上がる炎を見る次郎に、

吉兼「若い夜盗どもに、馬を盗まれた」
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#60 走る次郎の馬

走る次郎の馬
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2006年01月24日

#59 検非違使寮・馬小屋

馬小屋が燃え上がっている。

犬丸たち、検非違使寮に残った者を相手に、槍や刀をめちゃくちゃに振り回し、とうとう馬を奪って逃走する。
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#58 夜の通り

ほろ酔いで上機嫌の馬上の別当、馬で同道する次郎に盛んに話しかける。

別当「ほう、そちも坂上の血を引く者か、これよりよく覚えておく。わしについて来ると、何かと得をすることになるが・・・何じゃ、如何した?」

次郎「・・・検非違使寮の方に、火が見えまする」

別当 「何だと?」

遠くに火が上がっている。
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#57 頼光邸・一室

頼光が一人でいるところに、渡辺綱に案内されて、別当ががさつな声を張り上げながら入ってくる。

別当「おう、おう、兵どもが見事な戦利品の山。飛ぶ鳥落す関白殿ですら無視できぬ勢いの、さすが頼光殿が部屋じゃ」

別当、勝手に頼光の正面の席に座って杯を取り、慌てて酒の入った器を持って杯に酒を注ぐ綱に、

別当「他の四天王は、今宵はいずこじゃ、綱殿?」

綱「それぞれ、所用でちと都を離れていますが」

別当「ふん、ふん、頼光殿の仕事ぶりがお盛んじゃから、四天王も気の毒なことじゃ。この間も、誰かは忘れてしもうたが、なかなかゆっくり都にいることもできぬと、わしに歎いとった」

頼光「別当殿、夜分、検非違使を連れてのご訪問、ご用件は何じゃ? 酒を飲みに参られたのなら、このままおつき合いしてもよいと思うていたが」

別当、綱の方を気にするが、頼光も綱も無視するので開き直ったように、

別当「待たせておる検非違使は、勝手について来おったのじゃ・・・さ、砂金で、千両ほど用意だていただきたい」

頼光「ほう、千両、大金ですな?」

別当「何の、何の、宮仕えの貧乏別当に過ぎぬわしにとっては大金なれど、頼光殿にとっては、金を産むという土蜘蛛の雲古ほどのもの」

頼光「金を産む、土蜘蛛?」

別当「そうじゃ、関白殿もいとう気にしておられた」

頼光「綱、どうじゃ、別当殿の申し入れ?」

綱「勿論、御用だてするのが筋かと」

別当「おお、綱殿は分かりが早い」

頼光「とは言うても、別当殿、千両は重うござる。おって、綱に届けさせることに致しましょう」

別当「そうか、さすがは頼光殿、これで肩の荷が下りたというもの」

綱、上機嫌の別当の杯に酒を注ぐ。
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#56 ある辻(夜)

かがり火の回りで、検非違使の次郎を中心に放免たちが立番をしている。

放免A「冷えるのう、この寒空じゃ山の方は雪じゃ、これでは夜盗もなかなか動けぬじゃろうぞ」

放免B「いやいや、この寒いのに橋の上で一時も裸で死んだ振りをして、まんまと馬と牛車ごと盗んで逃げたという追剥が出たというぞ」

次郎「何、裸で馬と牛車を?」

放免B「へえ、近頃評判の若い牛飼童の仕業で、やることなすことが突飛で予測がつかぬと・・・あ、別当殿だ、どうされたのだろうこんな遅くに?」

馬に乗った検非違使別当・坂上琢磨が、松明を持った数人の供周りの者だけを伴ってやってくる。

次郎、別当のそばまで駆け足で行きき、最敬礼で頭を下げる。


次郎「お役目、ご苦労様でございます」

別当「おう、ご苦労! ・・・(行きかかろうとして)そちは今、暇か?」

次郎「え、暇といえば・・・」

別当「ならば、ちとそこまで同道してくれぬか。やはり、夜道は心細い」

次郎「は、承知しました!」
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#55 頼光邸・庭

片肌脱ぎの頼光が、槍をしごき、身体の鍛錬をしている。

そこに、綱がやって来る。

頼光「綱、近頃は何もすることが無うて、久しぶりに槍を持った。汗をかくと気持ちがよいぞ、どうだ、お主もやらぬか?」

綱が仏頂面で控えて居るので、頼光は槍を雑色に渡し人払いをする。

頼光「どうしたのじゃ、恐ろしげな顔をして?」

綱「別当殿が、一人の検非違使の供も連れず、今夜にでも親方様に会いたいと申しておりますが?」

頼光「ほう、それは肝の太いこと・・・賂は渡してあるが、はて、何じゃ?」

綱「金山のことを嗅ぎ付け、新たに強請る気でございます。別当め、罪人どもの送り先に一度検非違使を派遣し、その所在を確かめたいと煩いことにございました」

頼光「凶悪な土蜘蛛どもや、都に恨みをなす熊が瀬の者が跋厖する、危ない場所だからとか言うてごまかしてはどうじゃ?」

綱「他の公卿どもならそれで恐れをなすところではございますが、何しろ検非の別当ですからなかなか信用致しませぬ」

頼光「検非を連れておらぬなら、話次第では帰りに斬り捨てるか?」

綱「見かけと違い臆病な奴です、一人で来るか如何だか分かりませぬ・・・それに、関白殿の肝いりだとまずうございます」

頼光「何、関白殿の差し金だと言うか?」

綱「おそらく・・・裏で、必ず奴等はつるんでおります故」
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#54 ある庭・池

池に鯉が泳いでいる。

道長、その鯉に餌を与えながら、

道長「別当殿、人に多大の贈り物を貰いながら言うのもちとおかしいが、この度の頼光には驚かされたものじゃ」

別当「所詮、武弁の者が官位欲しさのおもねりとはいえ、あの贈り物には、内裏の者はおろか、下々の者までが驚いてございます」

道長「あの豊かな富は侮り難い。いったい、頼光はどのような打ちでの小槌を持っているのかのう?」

別当「・・・それとのう、探ってみまする」
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2006年01月22日

#53 河原(夕刻)

河原には、薦で作ったぼろ小屋が立ち、あちこちで火が炊かれている。

河原は、老人が、鼻たれ小僧が、芝居役者が、おしろいを塗った遊女が、帰る家とてない死にかかった者など浮浪者が集まり、すべての者が貧しいが独特の活気がある。

そのうちの一つの火の周りは、犬丸たちの一団がどぶろくを飲み、怪しげな肉を食らい、口から火を吐く者などがいてひときわにぎやかである。
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#52 次郎の家・玄関

次郎が、慌ただしく帰宅する。

家の中は静かで、床に伏したいねの傍に、いねの二親と産婆が黙って座っている。

次郎「・・・!」

次郎、いねの床に近づく。

いね「あ、お帰りなさいませ」

小さな赤子が、死んだように眠っている。

父親「次郎、生まれるには生まれたが・・・」

母親「いねの乳の出が悪く、先程までは泣いていたが今は眠っている」

次郎「男か女か?」

いね「男の子です」

産婆「次郎殿、赤子を大きくしようと思うなら、とにかく乳が出るように、いねさんに精のつく物を食べさせてやることじゃ」
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#51 洛中・ある通り

赤い狩衣の次郎が、血相を変えて走っている。

その次郎を、犬丸たちの馬と牛車が凄いスピードで(あたかも現代の暴走族のように)追い抜き、みるみる内に遠くに駆け抜けて行ってしまう。
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2006年01月21日

#50 洛外・ある橋の辺り

橋のたもとに、死人とおぼしき裸の男が倒れている。

時折通る物売りや百姓などの通行人は、係りになりたくないから死体を遠巻きに避けるようにして橋を渡る。

そこに、槍を持った髭の騎馬武者を先頭に、牛飼童と下部を従えた一台の品の良い牛車が通り掛かる。

牛車の中には、美しい女御が楚々として座っている。

立派な髭の騎馬武者は、豪傑らしく辺りを睥睨しながらやって来て、橋のたもとに転がった裸の男の生死に興味を持ち、横着にも馬上から槍の先で確かめてみようとする。

とその時、死人と思われた裸の男、犬丸がやにわに槍をつかみ、騎馬武者を馬上から勢いよく引きずり落としそのまま格闘になる。

事態の逼迫に気づいた牛飼童と下部が加勢に加わろうとするが、橋の下から猿丸と四五人の若者たちが現れ出てきて乱闘になるが、勝負はあっけなくついてしまう。

騎馬武者は裸の犬丸に惨めな姿で組みひしがれ、牛飼童は短刀を首筋に突きつけられ身動きがつかず、下部は大男の一人に軽々と抱きかかえられ赤子のようになる始末で、牛車の女御も悲鳴を上げる暇さえない。

犬丸とその仲間たち、騎馬武者、牛飼童、下部、女御を身ぐるみ剥いで縛り上げ、馬に乗り牛車ごと略奪して逃げ去る。
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#49 藤原道長邸・庭園

見事な紅葉に彩られた庭園。

緋氈がひかれ、関白・道長を中心に公卿たちが集まり、きらびやかに着飾った女たちを交え、豪奢で華やかな酒宴が催されている。

この酒宴には、白粉を塗り、おはぐろで化粧した頼光(以後、頼光はこの化粧)が、武士らしくもない楽しげなる素振りで参加している。

酒が酌み交わされ、楽人が楽しげな曲を奏で、手を打って拍子をとる者や、歌う者がいて酒宴は大いに盛り上がっている。

そのうちに、押し出されるようにして道長が立ち上がり、居並ぶ人のざわめきが急に静まる。

人々が見守る中、すこぶる上機嫌の道長が、紙と筆をとり一首歌を書きつづり、堂々たる様子でそれを詠み始める。

道長「この世をば わが世とぞ思う 望月の かけたることも なしと思えば」

道長の朗々たる声が響くー。

詠み終ると、しばしの間の沈黙があり、はからずもそこにいる全員が道長の歌を合唱し始める。
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#48 頼光邸・頼光の部屋

鏡の前で化粧する頼光。

白粉が塗られた顔の頼光が、眉を書きあげて鏡に向かってニット笑うと、おはぐろを施した歯がのぞき薄気味悪い。
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#47 次郎の家

身重のいね(20歳位)が、膳の上に朝食の支度をしている。

いね「あ、お帰りなさいませ」

次郎「(嬉しそうに)いね、やや殿の声を聞かしてくれ」

と言って次郎、いねの大きな腹に耳をつける。

いね「先程、目を覚ましたばかりでございます」

次郎「おお、腹が減った、腹が減ったと申しておるぞ」

いね「さ、朝飼の支度ができておりまする」

次郎「よし、やや殿、一緒に食べようぞ」

膳に並べられた粗末な朝食(当時の庶民の一般的なもの)。
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#46 狭い通り・次郎の家

痩せこけた子供たちが遊ぶ中を、次郎が歩いてくる。
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2006年01月20日

#45 同・市のある通り(朝)

雨上がりの市のある通りを、烏帽子、赤の狩衣、指貫の普段着になった次郎が歩いている。

そんな次郎、とある露店に立ち寄る。

荷台があるだけの露店は、竹で作った細工物が並べられ、火打ち袋など革製品の小物を、相当の年になる老人が一人で商っている。

次郎「爺、猪肉は無いか?」

露店の爺「申し訳ねーだ、兎の肉が少しばかりあるだけで、このところの飢饉で猪も鹿も減っていて、なかなか手に入りませなんだ・・・生憎でやんすが」

次郎「手に入らんのか?」

露店の爺「手に入らねえこともないが、熊が瀬の者に肉を頼むのは恐ろしいしのう」

次郎「・・・では、兎でもよいぞ」

露店の爺「はい、で支払いは何で?」

次郎「何とは、金子に決まっておるだろうが」

露店の爺「検非違使殿、申し訳のないことじゃが、肉はもう金子では買えないのでございます。市でも、しかるべき品物か金(砂金を含む)でなくては交換できぬようなあんばいですじゃ」
posted by 映画プロデューサー at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 酒呑童子シナリオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする