2006年02月20日

#103 走る犬丸と猿丸の馬

りゅうが弓を構え、見事な角を持つ牡鹿を狙っている。

矢が放たれるが、わずかに逸れ、牡鹿はぴょんぴょん跳ねて逃げる。

りゅう「あ、また外してしもうた」

外道丸「弓を持って間もない海の女子に射止められては、あの牡鹿も浮かばれぬ、よかった、よかった」

りゅう「次は、必ず仕留めようぞ」

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#102 次郎の家・通り

新調の烏帽子、純白の狩衣姿の次郎が馬に乗り、徒の雑色二人に配分された贈答品を担がせ、子供たちが遊ぶ通りを誇らしげに来て、家の前に馬を止めるとひらりと下りる。

次郎「いね、今帰ったぞ!」

次郎が部屋にかけ込むと、脇差しで自害して血潮にまみれたいねが、青白くなり死んだ太郎の遺体を覆うようにして倒れている。

傍に、呆然と座るいねの二親。

次郎、人目も憚らず、二人の遺体に取りついて号泣する。
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#101 同・頼光の部屋

頼光の部屋は、見事な鎧兜は勿論、さまざまな贈り物が山のように置いてあり一変した雰囲気である。

そこに、占部季武の声が響くー。

季武「先の中名言・菅原実透殿、絹5反、塩十俵、荒海魚百本、砂金百両、大納言道綱殿、馬十頭、砂金三百両・・・(延々と続く)」

一段高い座席に上機嫌の頼光が座り、下の広間の上席の左右には四天王が控え、その中の季武が分厚い奉加帳を次々と読み上げている。

左右に分かれて列席する若い騎馬武者たちが、贈り物の凄さに読み上げられる度に「おう! おう!」と感嘆の声を上げる。

この間、雑色たちが次々と贈り物を持って入れ替わり立ち替わり出入りし、部屋の中に入り切れぬほどの贈答品の山ができていく。

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#100 頼光邸・中庭

ー集結する大勢の兵たち。

馬のいななきが聞こえ、甲冑の刷れる音がして、どなり声が聞こえ、中庭に大勢の兵士たちが整列しようと集まり、それらを指揮する若い騎馬武者たち(この中に坂上次郎の姿もある)の勇ましげな姿がある。
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2006年02月19日

#99 同・一室

ー御簾の奥から声。

声「関白殿の屋敷を襲いし、恐ろしげなる熊が瀬の者とは、そも何者じゃ?」

御簾の前には、関白道長を最上座に数人の公卿が左右に列席して座り、下座に一人頼光が平伏して聞いている。

公卿A「美濃の守源頼光殿!」

頼光「はっ、恐れながら申し上げますれば・・・熊が瀬の者とは、人知れぬ山中に下賎の者を集めて住みし盗賊の一味にて、怪しげなる術を使い、疫病をはやらせ、都に出没しては偸盗し、罪無き者を殺傷し、民に害をなし、ひいては朝廷に害をもたらす悪虐非道の者らにございます」

声「その者らの中には、人を食らう酒呑童子とかいう化け物がいるとか、それはまことか?」

公卿A「美濃の守源頼光殿!」

頼光「はっ、恐れながら申し上げますれば・・・酒呑童子とは、天狗のように高き鼻を持ち、鬼よりも大きな体で、美しき女子を攫い、その肉を食らい酒を飲むとか申す化生の者にござります」

声「・・・(動揺が伺える)関白殿?」

道長「恐れながら、熊が瀬の者並びに酒呑童子討伐の勅命を、この頼光に命じたらよろしかろうかと存じますが」

声「おう、頼光やってくれるか・・・」

頼光「ははーっ!」

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#98 内裏・中庭・渡り廊下

衣冠束帯に身を整えた関白道長以下、宮中の最高官僚の公卿たちが参内する中に、堂々たる頼光の姿がある。
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#97 同・中

この後の覆面の一団の行いは、邸内に侵入した一部の者が寝むっていた下部の男女と雑色数人を殺傷し、一部はわざわざ検非違使の休み所まで侵入して暴れ、寝屋で眠る道長を大いに怯え震撼させ、荷車を奪って堂々正門から逃走してしまうという暴れぶりである。

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#96 走る次郎

次郎、その背に肉を切る音と、かん高い金属音を聞きながら走り去る。
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#95 同・次郎たちのかがり火

次郎「わしだけ参るとはいかぬぞ・・・」

放免B「何をご遠慮なさる、さあ、早うに」

次郎「では、早う行きて、中原殿に部所に着かれるよう伝えて参ろう」

次郎素早く振り返り、小走りでその場を去る。

次郎が立ち去る足音にかぶさるように、覆面の一団が音も泣く飛び出し、二人の人の良い放免を一刀のもとに切りさる。

そうしている内にも、一人の巨漢の男が大きな鋭い鉞を出して振り上げ、「キーン」という音とともにその一振りで錠前を断ち切る。
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#94 同・暗がり

次郎たちを見つめる覆面の一団。

中の一人、般若の面を被っており、以外にもなまめかしい女の声で、

般若の女「あたしゃいらいらするよ、何やってるんだろうねえ。もたもたしてるところを見ると、あの検非、話を通してないのかもしれぬな」

覆面の男「一思いに、検非共々斬り捨てまするか」

般若の女「・・・おや、放免を残して、検非だけ行こうとしておる」

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2006年02月15日

#93 同・次郎たちのかがり火

次郎の所から見えるかがり火の検非違使たちが、次郎が見ている間に立ち去り誰もいなくなる。

そこに、一人の別の放免が来ている。

次郎「何だ、吉兼殿が熱い茶を飲みにこいと? そうか、では参ろうか」

別の放免、軽く返事をしてくるっと回って立ち去る。

次郎「・・・(二三歩歩いて次郎が)どうした、お主たちも参ろう。中原様の茶は、旨いぞう」

放免A「坂上様だけ、行ってらっしゃいませ、わしらは後で・・・」
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#92 同・横手のかがり火あたり

暗がりに黒い覆面の一団が潜んでおり、放免が来て見張りの者が立ち去るのを確認すると、彼らは音も立てずに地面を走り次々と塀を乗り越える。
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#91 藤原道長邸・内・外(夜)

所どころにかがり火がたかれ、そこには検非違使と二人あまりの放免が配置されており、暗がりにも槍や長刀を持った雑色の姿が見える。

次郎は、いつもの放免A、Bと大きな蔵のある辺りに立っている。
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#90 テントがある広場

熊が瀬の巫女が祝詞を上げ、外道丸とりゅうの祝言(熊が瀬のしきたりで)が執り行われている。

弥次郎をはじめ熊が瀬の者たちと、犬丸たち厳かな顔で列席している。

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猪の丸焼きが焼かれ、皆が車座になって座り、賑やかな酒宴に変わり、広場の端では、外道丸と犬丸が、馬に乗り賭矢に興じている。

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日が暮れてからも、熊が瀬の祝言は続く。

テントの中では、二人きりになった外道丸とりゅうが、裸になり結ばれようとしている。

火の周りでは、巫女がセクシュアルな踊りを踊り、酔っ払った犬丸や猿丸がコミカルな動作で踊りに参加すると、ほとんどの者が立ち上がって踊り始める。
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#89 次郎の・家

いねの声 「お帰りなさいませ」

帰って来た次郎が、いねの床の横に座り、

次郎「いね、喜んでくれ、この度の除目で位が上がり、関白邸の警護にあたることになったぞ」

いね「それは、ようございました」

次郎「何かと別当殿が気にかけてくれる。もう少しで、精のつく物が食えるようになる」

赤子が、元気のない声で泣き始める。

次郎「すぐに、乳が飲めるようになるぞ、太郎」
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2006年02月14日

#88 海辺の松

首を吊るうめー。
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#87 同・うめとりゅうの家

酒壷や干し肉などが入った長櫃と、反物や美しい着物などが入った行李が置いてあり、うめがそれらの荷を開けている。

外道丸「旨い、生の魚は初めてぞ」

囲炉裏のそばに外道丸とりゅうが隣り合うように座り、魚や貝の刺身をつまんで食べる外道丸にりゅうが酌をしてやっている。

うめ「何と美しい・・・都では、皆このようなものを着ているのか」

外道丸「皆ではない、公家とか、位の高い一部の者だけじゃ。それは、頼光という受領の屋敷から奪うたもの」

うめ「奪うた、奪うたと今言うたな、お主は盗人か?」

外道丸「盗人ではない、わしは頼光どもと戦を構えておる。戦では勝利を得た者が奪うものと決まっている」

うめ「頼光とは誰じゃ?」

外道丸「おばばは、あの悪名高い頼光の名前も知らぬか。頼光は、公家を真似ておはぐろ何ぞつけた武士で、関白殿の提灯持ちといわれる金の亡者でな、わしの仇敵じゃ」

うめ「ところで、お主の家は何処にあるのじゃ?」

外道丸「家はいつも移動している、何処に住まおうと気の向くままじゃ」

うめ「お主、りゅうにそのような暮らしをさせるつもりか?」

外道丸「そうじゃが?」

うめ「りゅうはやれぬぞ、長櫃と行李を持って帰れ!」

りゅう「おばば、何を言う!」

外道丸「おばば、何故じゃ、何か気にさわったか?」

うめ「愚図愚図しておると検非違使を呼ぶぞ、この盗人め!」

外道丸、りゅうの手を取って立ち上り、

外道丸「りゅう、おばばを置いて行こう」

りゅう「・・・おばば!」

うめ「りゅう、その化け物と行ってはならぬぞ」

りゅう「おばば、わしは、外道丸が行くところならどこにでも行きたいぞ」

うめ「りゅう、待っておれ、今検非違使に知らせてくる、行ってはならんぞ」

おばば、表に走り出る。

うめ「助けてくれえー、化け物がりゅうを攫って行く。誰か、助けてくれー!」

外道丸とりゅう、うめを追って表に出る。

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#86 同・外

うめ、大声で叫び続けながら村の方へ向かって走っている。

外道丸、りゅうを軽々と抱きかかえ馬に乗り、馬の腹を蹴り海辺の村を後にする。
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#85 同・波打ち際

女たちの中に、年老いたうめと美しく成長したりゅうの姿が見える。

りゅう、不意と崖の上の外道丸の方を見上げる。

りゅう「おばば・・・外道丸じゃ!」

うめ、りゅうに呼ばれて崖の上を見る。

うめ「・・・とうとう、あの眼の青いわっぱが、りゅうを貰いにきた」

崖から、外道丸の馬が下りてくる。

りゅう、外道丸の方へ走っていく。
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#84 海岸・崖の上

馬に乗った外道丸、長櫃と行李を積んだもう一頭の馬をひいて、波打ち際で海草を拾う女たちを見ている。
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