2007年02月27日

日本映画界はメタボリック・シンドロームに罹っている?

茶飲み話などしたくもないが・・・。

H社のKさんと会って、今年の映画界は邦画も洋画も相当悪いのではないかと話したら、来年春に期待される映画の話題になってしまった。

『ハリーポッター』や『ロードオブリングス』に匹敵するような大作(製作中)だとのことだが、タイトルは忘れてしまった。

年が明けて間もないのに、来年の話をされても困ってしまう。

と思って、なおも突っ込んだら、「『東京タワー』と『三丁目の夕日』があるから」との答えが返ってきた。

で、すかさず「でも、50億には届かないでしょう」とさらに突っ込むと、Kさんの責任でもないのに「そりゃ届かんと思うけど」といって口をつぐまれてしまった。

昨年は、興行収入が100億に届く作品はなかったものの、6作品が50億以上を超えた。

1 7月 ゲド戦記 76.5 東宝
2 5月 LIMIT OF LOVE 海猿 71.0 東宝
3 1月 THE 有頂天ホテル 60.8 東宝
4 7月 日本沈没 53.4 東宝
5 11月 デスノート the Last name 52.0 WB
6 05/12月 男たちの大和/YAMATO 50.9 東映

今年は100億はおろか、50億に届く作品があるかどうかが危ぶまれている。

Kさんの表情が暗い。

これではいかんと思い、先週封切られた『さくらん』の話題に持っていくと、まあ東京はよく入っていると思うが地方は期待できないとのことらしく、映画興行全体の底上げにはつながらないなあと、これまた、なんとなく覇気のない会話になってしまった。

Kさんが今関係している作品が当たっていればよいが、話題にすることもできないほどこけていて、どうしても話が弾まない。

ついでといった感じだったが、ある映画製作配給会社の作品におけるクレジットに関して疑問があり、プロデューサーの権限と責任についての話に言及した。

コンテンツビジネス全盛、ファンドなどで資金は豊富、売れてる小説や漫画が原作、合議制で企画を決定していく今の映画作りのなかで、プロデューサーの権限と責任があやふやとなったまま、少数のヒット作品の陰で膨大な不良作品が生み出されているというのが日本映画界の実態であることは、たいていの映画人ならよくわかっていることだ。

Kさんによると、最近になってS社(大手映画会社)では権限はともかく責任については厳しくなったそうで、統括責任者が「やりにくくなっちゃって」とこぼしているという。

合議制だから発案者に責任はなく、ましてや議長のような役割の統括責任者に責任があるはずもなく、ぼろぼろと作品だけが生産されていっているのが実情らしい。

妙にお金があるから、日本映画界がメタボリック・シンドロームのような情況を呈していて、これが到来が予想される映画バブルの本質であり、すでにそのバブルがはじけ始めているのではないかというのが今日の茶飲み話で、結局、それ以上に発展することはなかった。

アカデミー作品賞を獲得した『ディパーテッド』のムーブオーバーが決まったというが、さてどうなんだろう。

『ドリームガールズ』は封切2週目で興収トップに出たようだ。

今週は、3月3日から邦画『青き狼 地果て海尽きるまで』と洋画『パフューム ある人殺しの物語』などが出る。

Kさんの顔がほころぶのを期待しよう。


posted by 映画プロデューサー at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 働く現場から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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