2006年03月20日

#183 荒れはてた頼光邸・中庭・邸内

荒れはて、かっての面影はない頼光邸に、覆面の一団が馬で戻ってくる。

般若の女が、馬からひらりと飛び降り土足のまま邸内に足を踏み入れ、他の者も盗品を運んだり、覆面を脱いだりしながら続いて入ってくる。

部屋の中は、まだ薄暗い。

覆面を脱ぐと、これらはすべて頼光の兵どもで、その中には顔に醜い傷のある次郎の姿も見える。

手に灯りを持った般若の女が、廊下を歩いてきてふとある部屋の前で足を止め、薄暗い部屋を照らし奥を不審げに見る。

かつての頼光の部屋ー。

外道丸「待っておったぞ、酒呑童子」

頼光が座っていた場所に、黒々とした大きな影が見える。

般若の女「おのれ、まだ生きておったか・・・」

大きな影が立ち上がり、犬丸と猿丸を従えた外道丸の姿が現れる。

外道丸「わしの腕を返してもらおうか!」

と言って外道丸、抜き打ちに山刀で般若の女に斬りつける。

般若の面が縦に割れ、白粉おはぐろで化粧した渡辺綱の顔が現れる。

外道丸「なんだその顔は、お主のさもしい心が見えておるぞ、綱!」

綱「しゃらくさい、化け物が!」

と叫んで、綱が外道丸に斬りかかる。

外道丸が、綱の太刀を山刀でかわし逆に斬りつけると、綱は忍びの者のような身軽さで宙を反転して逃げる。

そこに、綱の配下が太刀を抜いて外道丸と犬丸たちに斬りかかり、荒れはてた邸内が修羅場に変わる。

すでに邸内は、綱が持っていた灯りの魚油が飛び散り、破れた障子に火が燃え移り、それが襖に飛び火して大きな炎が上がり始めている。

その中で、外道丸と綱との間に、忍びの者どうしが戦うような、また凶暴な狒と熊が戦うような、スピードと重量感あふれる戦いが息をもつかせぬ勢いで繰り広げられる。

同時に、犬丸と猿丸が、かつての兵たちを相手に斬り斬られしながらも、全身を鮮血で染めて戦う。

そして、外道丸が綱との間に割って入る者たちを切り捨てながら次第に綱を追いつめていき、犬丸と猿丸が手強い次郎を二人がかりでしとめ、遂に戦いはクライマックスを迎える。

天井に飛び上がった綱が、そのまま天井板を蹴って外道丸に襲いかかり、身を沈めた外道丸が素早く床を蹴って宙に飛ぶ。

宙に舞う外道丸と綱が、空中で激しく刃を交わし、外道丸の山刀が綱の右腕を付け根から斬り落とす。

綱「ぎゃーっ!」

と悲鳴をあげて綱が床に転がり、夥しい血潮が飛び散り、外道丸が天井に張り付き、太刀を握った綱の右腕が犬丸と猿丸の間を飛んで、柱に深く突き刺さりぶらぶらする。

綱「ぐる、ぐる・・・」

床にうつぶせに倒れた綱が、獣のようなうめき声を発しながらゆっくり起き上がり、外道丸と犬丸たちを恨めしげに睨むと、公家面の綱の顔が醜く歪み始め、みるみる内に口が裂けて恐ろしい顔の鬼の姿に変身し始める。

外道丸たちが圧倒されて様子を見ていると、

鬼「ぎゃおーっ!」

と鬼に変身した綱が威嚇するような吠え声を発して、外に向かって脱兎のごとく走り出る。

外道丸が、すぐさまその後を追う。

外に出た鬼の綱、外にいる馬に飛び乗って逃げようとする。

追いかけてきた外道丸、落ちている槍を掴み、邸内から逃走する鬼に向かって思いっきり投げる。

ー槍は、矢のように飛んでいき、馬で逃げる鬼の背中をつら貫き通す。

posted by 映画プロデューサー at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 酒呑童子シナリオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。