2009年10月11日

海部美知さんが紹介されている映画『Only The Brave』

率直に言い過ぎると反感を買うかもしれないが、僕は”大和魂”というものに大いに関心がある。

ちょっと大げさかもしれないが、今、日本人は”大和魂”を必要としていると考えている。

先の戦争に負けた日本(人)は、”大和魂”をおぞましいものとして破棄し、拝金主義だけを頼りに戦後復興・高度成長の道を突き進んで世界に冠たる経済立国を成し遂げた。

日本民族は、精神のよりどころを”大和魂”から”拝金魂”へと見事に置き換えることに成功したのだった。

そして、昨年のリーマンショック以来未曾有の経済危機に陥り、派遣労働者切捨てなどで1000万人以上のワーキングプアの存在が明らかとなり、失業者は増大し雇用求人倍率はかつてなく低迷し、年間3万人以上の自殺者を10年にわたって輩出し続けている。

このような状況下で、よりお金の価値そのものは高まっているかもしれないが、結婚はおろか食うや食わずの生活を送らざるを得ない人々にとって拝金主義は手の届かない理想というもので、今や”拝金魂”は”霞”のようなものでしかなくなっている。

今、人々は”魂”を失っていて、新たなる”魂”を必要としている。

と、僕は考える。

さらに、”大和魂”から”ヤマト魂”と言い換えることで、その違いをはっきりさせることで、新たなる”魂”を想起することが出来るのではないかと考えている。

戦争によってゆがめられた”大和魂”をいまさら復活させるなどという考えはもうとうないが、源氏物語の時代にさかのぼることが出来る日本人の精神的ルーツとして改めて取り上げる意味は大きく、さまざまな事情があって日本を離れざるを得なかった日系アメリカ人などの移民たちに、純粋な”ヤマト魂”として引き継がれているのではないかと推測し、時間があるるときにいろいろ調べていた。

そんなときに、海部美知さんのブログで日系アメリカ人兵士を描いた映画『Only The Brave』のことを知った。

長いけど、備忘録もかねて、海部美知さんのブログから全文を掲載。

千人針を懐に散った「アメリカ版特攻隊」の悲劇 「Only The Brave」

8月は日本では第二次世界大戦のメモリアルの月なので、終戦記念日を境にそろそろ終わっただろうけれど、「日本が受けた戦争の被害と悲惨な運命の人々の物語」が、数多くテレビなどで毎年紹介される時期。

そんな中で、意外に知られていない(と思われる、少なくとも私は最近までほとんど知らなかった)戦争の悲劇が、地球の裏側にある。日系米国人志願兵による欧州戦線「第100/442部隊」である。この歴史的事実をもとにした自主制作映画「Only The Brave」を見る機会を得た。

米国本土に住む日系米国人は、戦争中「危険な人々」とみなされて種々の迫害を受け、収容所に入れられた。ナチのユダヤ人収容所のような「虐殺」こそなかったけれど、それまで日本人らしい勤勉さを遺憾なく発揮して営々と築き上げてきた農地や商売の資産をすべて没収され、砂漠の鉄条網の中に閉じ込められた。ちなみに、同じく「敵」であったドイツやイタリアからきた「米国人」たちは、そのような扱いは全く受けなかった。

米国に溶け込もうと必死に努力してきた彼らは、「自分たちはアメリカ人である」ということを身をもって証明し、家族を守るために、志願兵となった。収容所は免れたハワイの日系人からも志願兵が数多く集まった。これら日系米人だけで構成された「第100/442部隊」は、人柱のごとく、最も危険な欧州の最前線に投入された。

ナチに囲まれ絶望とされた200人の米国兵部隊を、自軍の倍以上の兵力を相手に救援するという、ほとんど生還の見込みのない「特攻隊」のような戦いに、彼らは投入される。そして、部隊は800人以上を失ってこの命令を遂行したのである。

映画としては、生身の人間が至近距離で撃ち合う市街戦や、暗い森の中で次々と倒される仲間を置き去りにしながらも銃を撃ちまくって前進を続ける激戦場面が、リアルで圧巻の迫力。それぞれの兵士と残してきた家族との回想場面はややベタではあるが、それでもハリウッドのスタジオを使い、日系人を中心としたプロが結集して作っただけあり、地味ながらもチープな感じはせず、映画らしいスケール感がある。淡々としたナレーションから、制作に参加した人たちの真摯な気持ちが伝わってくる。低予算の自主制作としてはすばらしいと思う。

「ベタ」などと称したが、彼らの家族との別れというのは重要な点であり、志願兵たちは「人柱」になることを覚悟の上で出征して行ったことが繰り返し描かれる。その中で、日本語を話す母親が「千人針」を息子に手渡す場面がある。日本人としての私が見ると、日本側の戦争物語の中でよく知っている「千人針」が出てくることで、日本側における「特攻隊」と頭の中で印象がつながる。アメリカ側でも、千人針を懐に抱いた若い兵士が、無茶な命令の下に命を散らしたのである。エンド・クレジットで、実際の戦死者の写真や協力者の名前が延々と続くところは、以前江田島で特攻隊の資料を見たときの感慨を思い出した。配給会社には「長い」と文句を言われるが、監督としてはどうしてもこれを入れなければならない、譲れないところだったとのことだ。

何のための人柱かというと、本人たちはおそらく、自分の家族とその周囲の「日系コミュニティ」のためと意識していたと思うけれど、実は映画の最後に印象的に語られるように、「自分の7代あとまでの世代のため」だったのだと思う。

日本人として米国に住む私自身や、二重国籍を持つ子供たちが、誇りをもって安心してこの国に暮らしていられるのも、これらの先駆者たちが「孤高のマイノリティ」として多くの犠牲と努力を払ってきたおかげ、と思う。そして、直接的には「アメリカの差別の歴史の一幕」だけれど、移民を政策として送り出しておきながら戦争するってのもなんだかなぁ、と思ってしまうのだ。

なお、この映画は正式な配給会社がつき、現在は「商業公開」を目指して準備中。DVDはウェブサイトで自主販売しているが、アメリカ国内でしか買えないようで、まだ日本では見られない。日系有名俳優である故パット・モリタや、ブルース・リーの役で知られるジェイソン・スコット・リーなども出演しているが、白人の大スターが出ているわけでもなく、商業的にはなかなか難しいが、監督・主演・プロデューサーのLane Nishikawa氏とチームの皆さんは、日本を含む海外でも見られるよう、いろいろ頑張っている最中である。

ウェブサイトは下記のとおり。

Only The Brave

予告編ビデオ

<追記>

このエントリーがTwitterで自動Tweetされたところ、「東洋宮武が覗いた時代」というドキュメンタリーも見てください、とのRTをいただいたので、一緒にご紹介しておく。今朝「Only The Brave」の話を息子にしたら、「(人気バンド)Linkin Park/Fort Minorの日系ミュージシャンマイク・シノダはおじいさんが収容所にいたんだって・・・」と教えてくれていたところだったのだが、彼はこのドキュメンタリーでエンドミュージックに協力している。

TOYO’S CAMERA =Japanese American History during WWII

それと、1951年のこんな映画もあるそうで、これも2名の方からTwitterでご指摘いただいた。

Amazon.com: Go for Broke: Van Johnson, Robert Pirosh: Movies & TV

なお、劇映画である「Only The Brave」では、俳優や制作スタッフに多くの日系・アジア系映画人が参加しているところもポイントで、Nishikawa監督は上映会の挨拶で「こんなにたくさんのアジア系俳優が出てくる映画はなかなかないでしょう。この映画のおかげで、アジア系の業界の仲間に仕事を回せたことは、うれしかった」と語っていた。こうした感慨が出てくる背景としては、2年前に「アジア系映画人の苦労」の話を別のブログに書いているので、こちらを参照してほしい。

ジャンクションより: 「The Slanted Screen」 アジア系男性のハリウッド苦難の歴史



<さらに追記>

二世関連の書籍リストを紹介していただきました。

msugaya tumblr, 二世部隊&日系人収容所関連の参考書籍です。 RT @MichiKaifu

<またまた追記>

息子が教えてくれた、上記マイク・シノダによる「ケンジ」という曲の歌詞は下記。

Mike Shinoda - Kenji Lyrics



以上のブログ記事を読んで、すぐに映画『Only The Brave』の日本上映のことも考えたが、そのうちどこかの配給会社が日本でも上映するだろうと思ってそのままにしている。

日系アメリカ兵の”ヤマト魂”は、この映画を作ったスタッフやキャストに受け継がれていると考え、何とかしたいとは思っているのだが・・・・・英語力、資金力など足りないものが多い。

でも、何とかしたいものだ。



posted by 映画プロデューサー at 00:06| Comment(0) | TrackBack(1) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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