2010年01月02日

彼女の修行

風呂の残り湯を利用して洗濯することは、彼女にとって修行なのかもしれない。

そう思うのは、「ちょっと手伝おうか」と声がかけにくい雰囲気がある。

風呂でバケツに残り湯を汲み、台所と居間を横切ってベランダの洗濯機まで運ぶ所作に、犯しがたい決まりのようなものが見てとれる。

「水を一滴もこぼさないぞ」という考えのもとに、汲み方、持ち方、運び方に一定の作法が編み出されているようだ。

すっくと立ち、両脇を固く閉めて、バケツを捧げ持つようにして運ぶ姿は、まるでカミに使える巫女だ。

彼女にとって、風呂の残り湯で洗濯をすることは、大いなる歓びなのかもしれない。

だから、「ちょっと手伝おうか」なんて、軽はずみに声をかけることができない。
posted by 映画プロデューサー at 07:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 年がいのない日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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