中央高速に乗ると1時間ちょっとだが、僕にとっては久しぶりの遠出だった。
仕事のついでに秋の紅葉を見物しようという魂胆は雨で半減したが、なかなか映画の仕事(準備以前の段階)らしい行動様式(自分らしい)で、気分はまずまず、いや多少はしゃいだような上々の気分だった。
笛吹市に到着して、果樹園に囲まれたT氏のご自宅で5時間近く、石和温泉にあるレストランでご馳走になりながら2時間という、長時間の面談および打ち合わせをすることが出来た。
途中、ケータイに出版社社長のY氏から電話があった。
もう2週間以上前に、「時間があるときに連絡をください」と留守電に伝言していたことへの返事の連絡だった。
「ちっとも、電話よこしてこないなあ。体の具合でも悪いのかなあ」なんて思いながら、実はもう忘れていた矢先の電話だった。
来週にアポをとったが、そのときに「映画の話、うん、いいよ。でも、みんな映画で失敗しているよ」と電話の向こうで経営者らしい言い方で言ってきたから、「そう、みんな失敗ばかりしているので、よ〜く当て方がわかったんですよ。会ったときに話すから」なんて軽〜い感じで応対することが出来た。
こんなときは仕事がうまく進む。
きっと山梨の果樹園に囲まれた場所で仕事をしていたからだと思う。
新宿の喫煙席がある安い喫茶店で、険しい顔つきでタバコを吸いながらの打ち合わせでは、軽〜い感じの会話にはならない。
「今からでも、すぐそっちに行くよ」なんて気持ちが優先する。



